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2007年2月

伝説のカット

自分が所属していた スタジオZ5 は スタジオZ から派生したスタジオです。

昔は参加した作品の原画は返却するような風習があったのか スタジオZ のアニメーターが参加した作品の原画が「押入れ(笑)」に沢山ありました。

Z5が引っ越す際にそれらを全部捨てるというのでお願いして何点か譲ってもらいました。

金田さんの原画をもらおうと原画の山をあさっていると見たことあるようなカットが・・・

とんびか何かの鳥がロングでイン、アウトして左上から爆発・・・ そうです、

初代ガンダム1話のcut-1です。

もちろん頂きました、ものすごく価値の高い物をゲットできたことに大満足しました。

それから数年たって、逆にその価値の高さがプレッシャーになり誰か大切にしてくれる人にもらってもらえないかと思うようになりました。

真っ先に浮かんだのが「ま○だらけ」に売るでしたが転売は犯罪行為なのでやめようと思いました・・・が、いったいいくらになるのかは気になりました。

査定だけしてもらって売るのはやめようと思っていざ「ま○だらけ」へ

そして店の人に見せると・・・難しい顔・・・もしかして・・・すんごい値段!?

「400円ですね」

ズコッー!!

マジですか~あんた物の価値判ってるんですか~と思いつつも、

「そ、そうなんですかかー」

「キャラがいないとね、売れないんだよ」

なんだそりゃ、だめだ、そんな奴らにはさわっても欲しくない!

早々に引き上げました、思い出しただけでも憤慨します。

しかし数年後にやっぱりその価値の高さがプレッシャーに感じるようになり誰か大切にしてくれる人にもらってもらえないかと思うようになりました。

そこへ「劇場版ZガンダムⅢ」の原画の依頼が舞い込みました、

打ち合わせの日時を決めるため制作に電話をした際、

「打ち合わせに富野さんもきますか?」

の問いに、

「ええ、きますよ」

よし!富野さんにあげよう!!

私の心は決まりました。

いざ、打ち合わせへ・・・

・・・ごく普通に打ち合わせは終わりました、富野さんもどこかへ出かけられてしまいました。

そうです、上手く切り出せなかったんです(涙)

でもチャンスはもうないかもと思い制作に

「富野さんにこれをお渡ししたいのですが・・・」

さすがサンライズの制作、そのカットが何か一発でわかりました。

「待っててください富野さん探してきます」

そして私は、めでたく富野さんとお話する機会を得ました。

「・・・というわけで、大切にしていただける方にもらっていただきたいのですが」

富野さんはなんだかんだ言いつつも嬉しそうです、もらってもらえるのかなと思ったら、

「私ね、物を大切にしないんですよ」

ズコッー!!

「え、え、えっ、じゃ、じゃあサンライズにお渡しするのが筋ですかねぇ・・・」

富野さんの表情やや曇り、

「サンライズはね、もっと物を大切にしないんですよ」

ズコッー!!ズコッー!!ズコッー!! も一つおまけにズゴッーク!!

「え、え、えっ、じゃ、じゃあどうすれば・・・」

富野さん真顔になり

「わたしが譲り受けますよ」

・・・ほーっ、最初からそう言ってくれれば良いのに・・・

「捨てはしませんから、捨ては」

そういう富野さんは何かちょっと嬉しそうでした。

ただのひねくれ物だったのでしょうか(笑)

それにしても「ま○だらけ」の店員、いや方針・・・

「特に女キャラが高いんだよ」とか言っていたような気がします。

ここでいきなり私のブログの流れに戻しますが

そんな人たちが

「女の子のアップが少ないから作画が良くない」

などと言い出す人なのでは??と思う今日この頃。

もちろんすべて事実です、が、言葉や状況説明はいかんせん思い出しですので正確ではないのであしからずです。

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つい先日までは「私『好み』の作画について ~その3~」を書くつもりでしたが上手くまとまらなかったので急遽内容を変更しました。途中までは書いたのですこし先になるかもしれませんがアップするつもりです。

しばらくは「○○については又後日」というのが増えてきたのでその辺をフォローしていこうかなと思います。

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私『好み』の作画について ~その2~&お答えします

自分が参加した私好みの作画、描いた人間の情念がのりうったような作画

「はじめの一歩 50話『伝えたい事』」でヴォルグが最後のホワイトファングを仕掛けるシーンです。

なにしろ温度が高い!

この現場にいて分かったのは作画の出来を左右するのは「情熱(パッション)」だという事と作画以外の周りのバックアップが重要なのだということです。

技術の高いアニメーターがローテンションで描くのとそこそこのアニメーターがハイテンションで描くのでは後者の勝ちです。

ならば技術の高いアニメーターがハイテンションならば…

それが見れます。

ここの担当アニメーターは「山根宰」さんです、私が師匠の次ぐらい、いや匹敵するぐらいに尊敬しているアニメーターです。

山根さんの「一歩」参加のきっかけは監督の西村さんとお知り合いであったということです。

レギュラーアニメーターとして番組開始の頃から続けられこの50話で一つのピークを迎えたといっても過言ではないでしょう。

一歩とヴォルグ、両者酸欠状態からの苦悶、そして必殺技を仕掛ける決意が観るものの息までも苦しくさせます。

そしてかわされる必殺技、ヴォルグ側のセコンド、ラムダの絶望、一歩側セコンド鴨川の驚きも克明に表現され観客に伝わります。

そして一歩の反撃、迫り来る「ガゼルパンチ」の迫力、そしてヒットの破壊力!!

とりあえずは観てもらうしかないのですが出来る限りの大画面で観ることをお勧めします。

じつは「はじめの一歩 50話『伝えたい事』」とアニメーター「山根宰」さんについては数多くの「逸話」がありすべてを語ると長くなりすぎるので又別の機会を設けたいと思います。

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通行人Aさんからコメントをいただきました、ありがとうございます。

マネージャーという発想は確かに面白いと思います。しかし限りある制作費の中でスターアニメーターが何億も持っていってしまったら他のスタッフに払う給料が無くなってしまうのではないでしょうか?アニメは作画以外にも仕上げや美術や他にもたくさんのスタッフに支えられて作られているのではないですか?結局のところ制作費そのものが上がらない限りスターアニメーターも下っ端アニメーターも待遇が良くなる事は無いのではないでしょうか?スターアニメーターのマネージャー云々の前にまずは業界全体でスポンサーや広告代理店、テレビ局などに制作費のアップの交渉をする事が先ではないでしょうか?

交渉は現在もなされているはずですが遅々として進まず結果が見えません。

ならば交渉のの仕方を変えて行こうという提言が「マネージメントシステム」なのです。

具体的にいますぐギャラをアップしろというわけではなく段階を踏んでアップさせ最終的に億に届くようにしたいという事を訴えていたのですがうまく伝わらなかったようで反省しています。

他のセクションを削ってアップなど全く考えていませんし演出さんや仕上げさん、美術さんも同じようにマネージメントされると良いと思っています。

先ず作画がモデルケースとなってその先を開拓できればと思っております。

近日中にさらに分かりやすく、さらに実現可能な「アニメーターをマネージメントする ~その4~」を書きますので御期待ください。

何気に宿題を増やしてしまいました、次回どの件について語るか・・・リクエストお待ちしております。コメント欄、メール、mixiメッセージ等でお受けいたします。

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私『好み』の作画について ~その1~

自分の好きな作画を語る前に一つ言っておきます

「どんなに良い作画も良いストーリーの上にのらなければ無意味」

という定義を持っていると言うことを前提に話を進めます。

(例外にOP、ED作画がありますがそれはまた別の機会に語る事にします)

私の好きな作画、描いた人間の情念がのりうったような作画です。

具体的にあげないと何を言っているのかさっぱりだと思いますので(笑)

まず静かな感動を呼ぶ作画

作品名「さらば宇宙戦艦ヤマト」の古代とデスラーの対決シーンです。

特にデスラーの「撃たないかっ!」以降のシーン

身体の苦痛に耐えかね拳銃を落とすデスラー、手の力の抜け方そして銃の重みを感じさせる作画は秀逸です。

近寄るユキをそっと押し戻す仕草などはそのスピード、ポーズからデスラーの苦痛、やさしさ、そして諦めが痛いほど伝わって来ます。

ミルを撃つタイミングとリアクションも良い。

その後、壁伝いに歩きハッチのボタンを探す手は探り感が秀逸です、

ボタン発見、スイッチオンの「間」はそこに描かれてないものまで見えてくる見事な表現力です。

今わの際の吸い込まれ感、見開かれる目も大変印象に残ります。

そして何よりも、祖国を失い無念を晴らす為の戦闘に敗れた情念がひしひしと伝わってくるのが素晴らしい、おそらく初見の人でさえデスラーの境遇が手に取るようにわかるでしょう。

このシーンの原画を担当されたのは「芦田豊雄」さんだと聞いています、そして作監が「湖川友謙(※)」さん、どちらも現在第一線で働いているアニメーター達に多大なる影響を及ぼした人達です,この二人の仕事なら「すごくないはずがない」とまで思えてきます。

きっと二人とも描くときの顔はデスラーになっていたのでしょう(島本和彦のマンガみたいに(笑))

次に激しさが伝わる作画

作品名「巨人の星」のなかで花形が大リーグボール一号を打つシーンです。

凄まじい特訓を乗り越え渾身の力を込めて打つ…

渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・

と考えた担当アニメーターはついに花形自身になってしまいます!

「 渾 身 は こ う じ ゃ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! ! ! ! ! 」

・・・そして出来上がったのがあのシーンだと思います。

観た方はお分かりだと思いますが筆舌しがたいあのポーズ、フォーム・・・

本当にちから、渾身のちからをボールにぶつけるとこうだ!!と言わんばかりのフォーム。

あのシーンの担当アニメーターは「荒木真吾」さんだと聞いていますが

荒木さんといえば美形キャラの草分け的存在です。

その荒木さんの荒々しい部分が垣間見れるあの作画は大変趣深いものだと思います。

いまどきこの作画が良いなどといっているのは自分だけかと思っていたら

mixiの作画コミニュティでも話題になってましたね。

ちなみに荒木さんによる同じ方向性の作画に「あしたのジョー(第一期)」の

「対力石戦」があります。

同じように好きな作画です、荒々しさの中に美麗さが混じる現在との中間に位置する作品だと思います。

「あしたのジョー(第一期)」は、劇場版がほぼ初見だったので「対力石戦」のシーンは

劇場用に描き起こしたのだとばかり思っていました。

私自身、その二作品のような作画が出来れば・・・と無意識の中にでも思いながら作画を続けた感があります。

しかし「描きたい絵」と「描ける絵」は違います、この二つがより近い人達が神アニメーターとなれるのでしょう。

とはいえ20年もアニメーターをやっていれば、ほんの数回だけ自分の憧れに近い作画を生み出した事があります。

良いスタッフ、良い環境、そしてみんなののモチベーション高まった時それは産まれました。

その作品は・・・

つづく(笑)

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(※):この当時は「湖川滋」表記でした。

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このブログのアイデンティティ ~総集編みたいなやつ(笑)~

バナー ↓ 作りました

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リンクしてくれる方募集中です(^^)/

もちろんリンクフリーですが相互にしていただけるとうれしいです。

リンクしていただける方々の主観で紹介文をつけていただければよいと思いますが、

思い浮かばなかったら無理しないで空欄にしておいてください。

しかし、そもそもこのブログはいったい何が言いたいのか?それが分からないと紹介文もかけないですね(笑)

では、初心に立ち返りこのブログを立ち上げた動機に話題を移します。

まず、「世間で騒がれているほどアニメーター(アニメーション関係者)は貧していない」ということと「アニメーターをマネージメントすることにより得られるメリット」そして最終的にはそれらのことを認識した若い世代が「アニメーターを目指す」ようになると望ましいということです。

ブログのサブタイトル「迷ったらやってみりゃいい」はアニメーターになろうかどうしようか迷っている若者たちに向けたメッセージです。

ですから第二回目のタイトルがいきなり「アニメーターはもうかる」でセンセーショナルデビュー!と思ったのですが誰にブログ開設を教えるでもなく始めたのでどこからも反響がなく寂しい思いをしました(笑)

で、本当に儲かるのか?

正直「人並みにやっていける」だけで「儲かる」は言い過ぎました。

しかし「もうかるには訳がある ~その1~」「もうかるには訳がある ~その2~」「もうかるには訳がある ~その3~」で書かれていることは中沢氏の件が噂話でそれ以外はほぼ事実です。

そして最初に人目に触れ始めた記事「腹立たしい記事」でひとつの結論に達しています。

「新人のギヤラが安いのは役者やお笑い芸人も同じはず、では何が違うのか?

頂点、トップに立つ者が違う のである。」

そして、

「結論から言って、今急がれるのは新人のギャラアップではなくスターアニメーターのギャラアップなのである。」

ということです。

ではどういう形をとればギャラアップするのか考えたのが「アニメーターマネージメントシステム」です。

アニメーターをマネージメントする ~その1~」「アニメーターをマネージメントする ~その2~」「アニメーターをマネージメントする ~その3~」で語られたこと以外で補足があります、

そのマネージャーはどういった人材が適しているのか?

まずは制作(プロデューサー、デスク、進行)ですが本文中にもあったようにアニメーター本人が兼任または専任というのも良いでしょう。

そして最近おもいついたのが「作画通」の皆さんです(ここはあえて『オタク』という言葉は避けさせていただきます)。

私ごときでも年収300万円のサラリーマン並みの稼ぎがあります、ならば神作画と誉れの高い「神アニメーター」は私の10倍、いや20倍はもらうべきです。

ここで作画通のみなさん、憤りはありませんか?どこぞの名も知れぬアニメーターがそれだけもらっているのに、確実に日本のアニメ史に大きな足跡を残せる人たちが良くてそれの3倍ぐらいしかもらっていないのですよ。

確かにダメアニメーターも多いです、しかしそれは

「どんなにがんばっても、知名度が上がっても、年収1億なんかになりっこない」

という気持ちがダメにさせているのではないでしょうか?

これ以上書くと「補足」以上の物になってしまうので(笑)また次の機会に掘り下げるとします。

最近このブログにこられた方々、以上がこのブログの方向性です、かなり脱線、寄り道が多いですがそれらも一つの味付けになっていますので(^_^;)これからも宜しくお願いいたします。

次回予告!「私『好み』の作画について ~その1~」

お楽しみに!

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