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私『好み』の作画について ~その1~

自分の好きな作画を語る前に一つ言っておきます

「どんなに良い作画も良いストーリーの上にのらなければ無意味」

という定義を持っていると言うことを前提に話を進めます。

(例外にOP、ED作画がありますがそれはまた別の機会に語る事にします)

私の好きな作画、描いた人間の情念がのりうったような作画です。

具体的にあげないと何を言っているのかさっぱりだと思いますので(笑)

まず静かな感動を呼ぶ作画

作品名「さらば宇宙戦艦ヤマト」の古代とデスラーの対決シーンです。

特にデスラーの「撃たないかっ!」以降のシーン

身体の苦痛に耐えかね拳銃を落とすデスラー、手の力の抜け方そして銃の重みを感じさせる作画は秀逸です。

近寄るユキをそっと押し戻す仕草などはそのスピード、ポーズからデスラーの苦痛、やさしさ、そして諦めが痛いほど伝わって来ます。

ミルを撃つタイミングとリアクションも良い。

その後、壁伝いに歩きハッチのボタンを探す手は探り感が秀逸です、

ボタン発見、スイッチオンの「間」はそこに描かれてないものまで見えてくる見事な表現力です。

今わの際の吸い込まれ感、見開かれる目も大変印象に残ります。

そして何よりも、祖国を失い無念を晴らす為の戦闘に敗れた情念がひしひしと伝わってくるのが素晴らしい、おそらく初見の人でさえデスラーの境遇が手に取るようにわかるでしょう。

このシーンの原画を担当されたのは「芦田豊雄」さんだと聞いています、そして作監が「湖川友謙(※)」さん、どちらも現在第一線で働いているアニメーター達に多大なる影響を及ぼした人達です,この二人の仕事なら「すごくないはずがない」とまで思えてきます。

きっと二人とも描くときの顔はデスラーになっていたのでしょう(島本和彦のマンガみたいに(笑))

次に激しさが伝わる作画

作品名「巨人の星」のなかで花形が大リーグボール一号を打つシーンです。

凄まじい特訓を乗り越え渾身の力を込めて打つ…

渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・渾身・・・

と考えた担当アニメーターはついに花形自身になってしまいます!

「 渾 身 は こ う じ ゃ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! ! ! ! ! 」

・・・そして出来上がったのがあのシーンだと思います。

観た方はお分かりだと思いますが筆舌しがたいあのポーズ、フォーム・・・

本当にちから、渾身のちからをボールにぶつけるとこうだ!!と言わんばかりのフォーム。

あのシーンの担当アニメーターは「荒木真吾」さんだと聞いていますが

荒木さんといえば美形キャラの草分け的存在です。

その荒木さんの荒々しい部分が垣間見れるあの作画は大変趣深いものだと思います。

いまどきこの作画が良いなどといっているのは自分だけかと思っていたら

mixiの作画コミニュティでも話題になってましたね。

ちなみに荒木さんによる同じ方向性の作画に「あしたのジョー(第一期)」の

「対力石戦」があります。

同じように好きな作画です、荒々しさの中に美麗さが混じる現在との中間に位置する作品だと思います。

「あしたのジョー(第一期)」は、劇場版がほぼ初見だったので「対力石戦」のシーンは

劇場用に描き起こしたのだとばかり思っていました。

私自身、その二作品のような作画が出来れば・・・と無意識の中にでも思いながら作画を続けた感があります。

しかし「描きたい絵」と「描ける絵」は違います、この二つがより近い人達が神アニメーターとなれるのでしょう。

とはいえ20年もアニメーターをやっていれば、ほんの数回だけ自分の憧れに近い作画を生み出した事があります。

良いスタッフ、良い環境、そしてみんなののモチベーション高まった時それは産まれました。

その作品は・・・

つづく(笑)

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(※):この当時は「湖川滋」表記でした。

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コメント

湖川さん懐かしい…               
まだ学生の頃スタジオビーボォの見学させていただきました。        
私は『ザブングル』が好きでしたね。

投稿: 桃太 | 2007年7月 4日 (水) 07時33分

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