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「作画スタジオ」ってなんだ?

私は訳あって作画スタジオ「アニメーションスタジオ あさどや」を主催しています。

正直余り有名ではありません。(笑)

そもそも「作画スタジオ」とは何かわからない方も多いと思いますので今回書かせていただきます。

私がまだこの業界に入る前金田さんの人気と共に話題になっていたのが「スタジオNo.1」と「スタジオZ5」そして「ビィーボォ」「スタジオライブ」でした、この4つは「作画スタジオ」です。

どちらとも「仕上げ」「背景」「撮影」を置かない、もしくは少ない「作画中心」のスタジオですが前二つと後二つの違いは「フリーの集まり」か「会社」かの違いです。

昨今は「フリーの集まり」=「作画スタジオ」という認識で固まりつつあると思います。

会社と言えば社長や経理が居て社員達に報酬として「給料」を払い福利厚生を保証する形態です。(実際の事は棚に上げます(笑))

「フリー」というと「個人事業者」という事になります、(※1)

「個人事業者」は金銭面、社会保障面で不利ですが「自由度」が高いです、この形態を維持する人たちはこの点を重視していると思われます。「個人」ですから自宅で作業してもいいし、極端な事を言えば旅先で作業しても連絡が確実に取れて期日に間に合わせれば何の問題もありません。

リスクが気にならない人間にとって「フリー」は「万年夏休み」みたいな物です。しかし言い方を変えれば「締め切り=8月31日」であり一年に何回も「8月31日」が訪れる嬉しくない一面もあります。(笑)

だからと言って「フリー」は皆自宅でやっているわけではありません、仕事を請けた制作会社に机を借りたりもします。

ただ、そこで問題になってくるのが「机を借りた制作会社の『以外』仕事をどこでやるか」です。(※2)

自宅で作業すると誘惑が多くはかどらないという人が多くいます、そういった人たちが集まって作ったスタジオが

「フリーの集まり」となるわけです。(以下「フリースタジオ」と略します)

「スタジオNo.1」は(後年「スタジオのんまると」と名前と改名)山下さんや越智さんを加えて以降、新人は採らない方針だったようです。

その反対に「スタジオZ5」は毎年新人を採っていました、「フリースタジオ」が新人を採るのはリスキーですが結果、私のような者を生み出していただいた事に感謝しています。

それに実は「会社」といいつつ賃金形態だけは「フリースタジオ」という所が沢山あります。今年新人となって各会社に入られた方々、要チェックです。

「ビィーボォ」はかなり前になくなってしまいましたが「スタジオライブ」は今でも健在で有能なアニメーターを輩出し続けています。私が目指している「アニメーターマネージメントシステム」に近い形がとられている会社です。

「フリースタジオ」にも問題点はあります、「家族的」「友人」のようになってしまって緊張感が希薄になる事です。

が、そこがよくてスタジオに居続ける人もいるので問題視するのもどうかと思いますが仕事である以上適度な緊張感と礼節は欠かせないと思います。頑張りましょう(←業務連絡)

もう一つの問題点が「家賃」です。

現在稼動中の「フリースタジオ」はクリアーしている事ですが、数名で部屋を借りるわけですから敷金礼金、誰が借主になるかの問題も派生しますし仕事部屋として「貸し出してくれるか?」という問題に直面して「フリースタジオ」設立を断念した方も多いかと思います。

そして晴れて設立した後も「月々の家賃」の「振り分け方」が問題になると思います。

キャリア、経済観念、収入、家庭事情が違う人達が集まるわけですからこれも難しいです。(それらが一致したから「フリースタジオ」を設立したという方もいるかもですが・・・)

「スタジオZ5」では代表の亀垣、本橋が3万、他のメンバーが2万弱、新人が1万ぐらいでした。

我が「あさどや」ではほぼ均等3万弱ですが練馬、杉並に在中する「フリースタジオ」では平均的な額だと思います。

「三万弱は高い!」と思われる方々もいらっしゃるでしょうが「自由度」の虜になった者たちには許容の範囲なのです。それが負担にならない収入も確保していますしね。

実際引越しをした後の「スタジオZ5」は各自の負担分が5千円以上上がったような記憶がありますし、引越し先が広くてきれいな所だったので遊びに来た越智さんが「俺なら月5万出してもいいなぁ」とおっしゃっていたのを覚えています。

私が知っている「フリースタジオ」だけでも10件以上(現在は無くなったかもしれない物も含みます)あります。

「私の所も『フリースタジオ』です」方がいらっしゃったら運営方法など意見交換をしたいのでコメントいただけると幸いです。

mixiの「アニメ屋」コミュにトピック立てようかな・・・

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(※1)「個人事業者」(または「個人事業主」)の問題点。

「個人事業者」は社会的保証を受けるには各自で足を運ばなくてはいけません。

上気したようにいきなり「個人事業者」になるアニメーターもいるのですから専門学校や大学は卒業時そういったことをちゃんと教えるべきだと思います。

以前も書いたように、所得税は入金日に天引きされますが年金、保険料、住民税は後から請求され、年金は加えて国民年金基金に入らないと会社員の給付率に届きませんし退職金など全くありません。ボーナスも有給休暇も雇用保険も労災保険もありません。

それらがあるぐらいに貯金をしたり保険に加入したら大変な額です、アニメーターの賃金が安いと訴えかけている人たちはこの点を重んじての事なら納得いきます。

年間1000万の請求書を書いてやっと年収330万のサラリーマンと同等ですからね。

ですが私たち「『自由度』の虜」は(笑)1000万の請求書を書いた時点で舞い上がってしまうので注意が必要です(笑)

(※2)「他の仕事はしなければいいじゃないか」という意見について

ぶっちゃけ新人以外で一社のみの仕事、さらに手空き無しという状態のアニメーターは5%にも満たないと思います。

理由は「一社のみの仕事だと飽きてしまう」というのと「一社からのギャラじゃ足らない」という事、そして「手空きがもったいない」と感じる人が多いからです。

でも実はこの点に関して言えば「制作のやりくり」で何とかなるものなです。

優良アニメーターに逃げられたくない制作は「やりくり上手」になりましょう。

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  • toarusheisaku さん
  • GL さん
  • kamimura さん

せっかくコメントを頂いたのにお答えできなくてすみません。

次回には必ず・・・

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コメント

僕は業界の人間ではないので細かいところは分かりませんが、アニメアールなんかは有力な作画スタジオじゃないでしょうか。
後一応他にもゲーム制作や、最近は制作部門(制作デスク・進行と言う意味での)、撮影部門も置く様になりましたがマネジメントに近いことをやっているという点ではガイナックスも当てはまるかと。

フリースタジオについては、渡部圭介氏・大塚健氏などが属するスタジオへらくれすという所はコミックマーケットで原画集を売って、そのお金でスタジオ経営しているそうです。

投稿: びっぐべん | 2007年4月10日 (火) 22時18分

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