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2007年10月

書きたいことは沢山あるのだが…

JAniCA設立記者会見の準備やその後たまった仕事の処理に追われ、またもや更新が遅くなりました。

苦労した甲斐があり記者会見は盛況のうちに終わり一息ついた状態でした、各方面からの反響がいろいろありに一喜一憂しております。

ふと気づくとJAniCA設立世話人メンバーでコンスタントに主義主張を問いかける場(ブログ)を持っているのは私だけでした、それは私の意見=JAniCAの意見と錯覚されないか多少不安なので釘を刺して起きます、あくまでもここは私個人の主義主張を広く世間に問いかける場でありJAniCAの総意とは異なると言うことを認識してお読みいただきますようお願いいたします。

これから先JAniCAが具体的な活動を始め私の理想とかけ離れていった場合私はJAniCAを去るでしょう、皆さんにその推移を客観的に見守ってもらう為にここには私の独断と偏見で書かせてもらうことにしました。

JAniCAのHP掲示板や応援団掲示板、ブログへの書き込みは少ないですが今回の記者会見によせて自分のHPやブログにJAniCAついて書く方々が激増しています、そこでよく観られる意見は、

「設立したはいいが今すぐ何が出来ると言うのだ、記者会見でも具体的なことは述べなかったし、この協会には何も期待できない」

というものでした。

これが業界外の声なら放っておきますが業界内の声(笑)ではどうすれば期待ができるのか是非お聞かせ願いたい、その意見を取り入れますから。

こういうことって当事者HP掲示板、ブログに書かないものなんですよね、自分のブログに対しての反響もそうでした。

発起人の一人今敏さんが自分のページKON'S TONEでこう述べています。

「どうせやっても何も変わらない」
「誰かが何とかするだろうから私には関係ない」
「昨日までこれでやって来られたんだから明日もそのままでいい」
こうした「木っ端役人」みたいな考え方が、己の首を絞めることになるのですが、その構図を理解できないから「木っ端役人」になるのでしょう。「木っ端役人」に溢れた社会ではわずかなことでも改善するのはたいへんな労力が必要になると思われます。
でも。やらないより「まし」。

今さんには設立記者会見の場でお言葉をいただいたりして本当に感謝しております。

KON'S TONEではかなり赤裸々にお金の話題を取り上げています、私もそれに習って今までよりちょっと具体的に書いちゃおうかなと思います(笑)

先日AICの流出データが話題になりました(一般誌でも取り上げられた)のでとうとう本当のアニメーター・演出のギャラが白日の下に曝されました。

「安い!」というお言葉は嬉しく受け止めますが、実はあの内容がまかり通るような業界構造になってしまっているのです。

どういうことかというと先ず有名なのが動画仕上げは90%以上海外、頼みの綱の作監には作監料単価の上に拘束料をつける、総作監は単価(1話/100,000円)は安いがひと月4,5週あるわけだから月平均450,000円は確保といったことです、細かく言えばもっとありますが割愛。

ちなみに原画料(レイアウト料 + 原画料)は実力のあるアニメーターベテランアニメーターにとってはなめている設定です、なぜか昨日今日始めたアニメーター(新人原画マン)基準になっています。

でも、この流出データで再確認したあまりにも安すぎる部署「監督料(1話/200,000円)」です。

総作監と同じでひと月4,5週あるわけだから月平均900,000円は確保となるのだから十分と思った方もいらっしゃるかもしれませんが監督は放送始まる何ヶ月も前から準備しているのです、その準備期間が長ければ長いほど作品は良くなるでしょうが監督のギャラは単価ですから月割り計算となり三分の二、半分とどんどん下がってしまうのです。

ゆえに多くの監督が掛け持ちをします、そしてギリギリのスケジュールになる・・・悪循環の源、諸悪の根源です by 沢尻エリカ

その反面アニメーターでメインスタッフになればかなり良い感じです、キャラクターデザイナーの半分から三分の一は総作監も兼任します、デザインをメイン、サブ、フロップと全て出来れば1話につき240,000円弱、プラス総作監料を含めれば1話につき340,000円でひと月4,5週あるわけだから月平均1,530,000円、これなら半分になっても765,000円。サブ、フロップを多少取りこぼして他人に頼んだとしても月収700,000円ぐらいは確保できることになります。
売れっ子キャラデザ総作監は二本掛け持ちしたりする人もいますから杉並区に新築一戸建てもうなずけますね。

その反面、キャラデザのみ総作監のみでキャパオーバーのアニメーターは生かさず殺さずな微妙な立ち位置です、真っ先に改善すべきは原動画料ですがその次に来るのはここと先に述べた監督料でしょう。

「今すぐ変わらなければ意味がない」と言う方々に今回は特別「今すぐ変わる」方法を教えて差し上げましょう、

それは「交渉する」ということです。

先ずは前回の仕事より安い仕事は請けない、しかしやりたい作品であるなら前回並に上げてもらう、1%でも5%でも上がれば年収も増えます。
「それは拘束(契約)の人だけでしょ」という声が聞こえてきますが原画でも動画でも良い仕事をした実感があるのであれば主張すべきです、具体的には以前も書きましたが原画なら単価を上げるように頼むのではなくカット数(動画なら枚数)を多少多くやった事にしてもらうという方法です。これを何度行っても上げてもらえない方は残念ながら「対外的評価が低い」と思って間違いないでしょう。ある意味「自分は会社(スタジオ)に良く見られているのか悪く見られているのか…?」と疑心暗鬼になっている人には結果が分かりやすいこの方法はお勧めです。

もう一つは量的なもの、一話につきカット数が約320カットぐらいとしたら半パートで160カット、これを元受会社は子や孫会社にまく際「10%の管理費」をつけます、160カット×4000円=640,000円とすると管理費64,000円、さすがにひと月160カットできるアニメーターは少ないと思いますが80カットならかなりいるはずです、その数出来る人は5%の管理費32,000円を追加する権利があるといえます。一人で出来なければ友人や後輩を誘ってまとめるなどの「営業努力」が必要です。

これは元受会社で働くフリー限定では?と思われるふしもありますが自分の仕事に自信がある人ならやってみる価値はあるでしょう。

それにしても「営業努力」

このことをアニメーター達は「良い原画を書くこと」「上手い絵を描くこと」と信じて疑わないでしょうが仕事=商売なのです、八百屋とかで言えば市場から仕入れたものをただ店舗に並べるだけという事になります、それでは「営業努力」足らないと言われても仕方ないと思います。

多くのアニメーターは「そんな事自信がないから言えない」と言いますが、ではどうやったら自信がつくのでしょう?私が提唱したことを実践しギャラが上がればそれは「自信」になりませんか?「守りに入ったボクサー、まぐれでも勝てない」 by 辻仁成

なんか取り止めのない内容になった感があるので今回はこのへんで(笑)

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mixiの方ですが質問をいただいたのでお答えします。

質問があります。
何を意識して絵を描かれてますか?
動画マン時代、月に何枚描かれてましたか?

初めてのメッセージで質問攻めにして申し訳ありません。

何を意識して絵を描くか・・・

アニメーターは絵を上手く描くことが大前提で描いたキャラクターに演技をさせることが大きな命題です。
さながら絵=演者、描き手=ディレクターなわけで(笑)私は常に演者に向かって

「もうちょっと右向いて!」
「悲しそうに見えないよ!」
「歩幅もっと大きく!」

などと心の中で指示を出しています、たまに本当に口に出しちゃいますが(笑)
そうして描いたものが良くなっていくと「いいよ!いいよ!」と心で叫びます、
「なんだそれ(笑)」と思われた方も多いでしょうが実にこれが楽しい作業。
演者は月日を重ね経験を積めばつむほど思いどうりに動いてくれるのです、まだまだ言うこと聞いてくれない演者も多いですがいつかそれらも掌握し思いどうり動く日が来るかと思うとアニメーターは辞められない商売です。

次に新人時代何枚の動画枚数を上げていたかの質問ですが、初めて最初の月が動画単価150円で27,000円の収入、って事は180枚しか描いてませんね(笑)
さらに源泉引かれて24,300円なわけだから食えるとか食えないとかのレベルをはるかに下回ってますね(笑)
私がいたスタジオは 単純な芝居  振り向き  歩き  走り  とランクが上がらないと次の種類の動画をやらせてもらえない所なのに私は走りをさせてもらえるまで8ケ月かかった虚け者です(笑)
三年半動画をやりましたが平均としては月産700枚でしょうか、ひと月に1000枚描いたこともありましたが私の動画デビュー作品は「プロゴルファー猿」で「こんなのスライドでいいじゃん!」っていうロングのボールの動画で枚数を稼いでこの有様です(笑)
円定規で描けてディンプルなどの立体や模様は端折られていたから一時間もあれば20枚は描けるという美味しいものでした(笑)
10カットに1カットぐらいしか回ってきませんがー
いいわけですが私、線を綺麗に描くというのが大の苦手で・・・
さらに鬼師匠にR出されまくっていたからこんな結果なんです。その頃の経験は後で大変役に立ちましたが~。

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